気付かないうちに進行する歯周病
歯周病とは歯肉炎と歯周炎の総称のことです。歯垢や歯石に含まれる歯周病菌によって歯茎に腫れや炎症・出血を引き起こし、徐々に歯を支える歯槽骨などの歯周組織を溶かしていく病気です。歯周組織が破壊されることで歯を支えることができなくなるため、最終的には歯を失ってしまう危険がある恐ろしい病気です。また、歯周病はお口の健康だけでなく心疾患や脳梗塞・糖尿病など全身の健康にもさまざまな悪影響を及ぼします。
歯周病は初期症状に乏しく、気付かないうちにかなり進行してしまっているケースが非常に多いため歯科医院での定期検診が大切です。当院では歯周病の基本的な治療に加え、レーザーを用いた歯周病治療や、歯周外科治療にも対応しております。
歯周病は予防と早期発見・早期治療が重要ですので、気になる症状がありましたらお気軽にご相談ください。
当院の歯周病治療
豊富な経験と専門知識を持つ歯科医師による歯周病治療
当院長は東京科学大学病院(旧東京医科歯科大学)の歯周病学講座にて歯周病の専門知識を深く学び、歯周外科治療においても様々な臨床実績を積んでおります。また、現在も歯周病学会に所属し日々最新の歯周病治療の知識と高度な技術を習得しています。
深い専門知識と豊富な臨床実績に基づき、患者さま一人ひとりのお口の状態を正確に診断し、重度の歯周病であっても可能な限り抜歯を回避できるよう適切な歯周病治療をご提供しております。
歯周病を予防し、改善することは患者さまの全身の健康を守ることにもつながります。
他院にて抜歯が必要と言われてしまった方もぜひ一度当院にご相談にいらしてください。
重度歯周病治療にも対応
当院では、歯周病の基本的な治療だけでなく大学病院レベルの高度な歯周外科治療にも対応しております。豊富な臨床実績と高度な技術を持つ院長が患者さまのお口の状態に合った緻密な治療計画を作成し、精密な治療によって重度の歯周病も改善いたします。
一般的な歯周病治療で改善することが難しい重度の歯周病の方も、当院でなら改善できる可能性がありますのでお気軽にご相談ください。
レーザーを用いた歯周病治療
歯周病を改善するためには歯の表面や歯周ポケット内に付着した歯垢や歯石を徹底的に取り除くことが大切です。
歯周病は基本治療として「SRP(スケーリング・ルートプレーニング)」を行いますが、SRPでの歯垢・歯石除去は治療中に痛みが生じることや、治療期間が長くかかるなど、患者さまにかかる負担が大きくなってしまうことがありました。当院ではレーザーを用いた歯周病治療を行うことで患者さまにかかる負担を最小限に抑え、効率的かつ効果的に歯周病を改善いたします。
レーザー治療のメリット
殺菌効果が高い
レーザーによる歯周病治療では、光と熱によって隅々まで殺菌することができます。従来の歯周病治療では器具が届く範囲しか汚れを取り除くことができませんでしたが、歯周ポケットの奥深くや細部に入り込んだ細菌も安全に殺菌することができます。また、レーザーは歯周病菌が放出する有害な物質(内毒素)を無害化する作用もあるため、歯周病の進行を抑制する効果も高いです。
治療中の痛みがほとんどない
レーザーによる歯周病治療の熱作用は瞬間的で、周囲の組織を傷つけることもないため、治療中の痛みはほとんどありません。
多くの場合は麻酔を使用せずに治療することができ、出血や痛みが少ないため、体への負担を最小限に抑えることができます。
治療時間を短縮できる
従来は手作業で歯石を削り取っていたため治療時間がかかりやすかったですが、歯科用レーザーは水への吸収性が高く、水分を多く含む歯石を瞬時に蒸散させることができるため、治療時間の短縮につながります。
当院では患者さまのお口の状態をしっかり把握し、レーザー治療が有効な症例かどうか正確に診断いたします。
そして、照射法と出力を適切にコントロールしたうえで、安全面に配慮したレーザー治療を行っております。
患者さまに寄り添った歯周病予防
当院では患者さまのお悩みに真摯に向き合い、根本的原因を追求し、患者さまのお口の状態やライフスタイル、ご要望などに適した歯周病予防ケアを行っております。
また、歯科医師と歯科衛生士がしっかりと連携し、患者さまのお口の健康をサポートいたします。処置やセルフケアによるお口の状態の変化を正確に把握し、患者さま一人ひとりに適した効果的な歯周病予防ケアを行っております。
歯周病予防について気になることやお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
歯周病の進行段階
歯周病は進行性の病気で、進行段階によって症状や治療法が異なります。歯と歯茎の間の溝のことを「歯周ポケット」といいますが、歯周ポケットの深さによって歯周病の進行具合を判断することができます。
歯周病は静かに進行していく病気ですので、定期検診を受けできるだけ早い段階で適切な治療を行うようにしましょう。
【歯肉炎】歯周ポケットの深さ:2〜3mm程度
歯周病菌によって歯茎にのみ炎症が生じている状態。
歯茎が赤く腫れ、ブヨブヨとしています。痛みなどはありませんが、歯磨きをした時や硬いものを食べた時に歯茎から出血することがあります。
【軽度歯周炎】歯周ポケットの深さ:3〜4mm程度
歯肉の炎症がさらに内側に進行し、歯を支えている歯槽骨にまで影響が出始めた状態。
歯茎の出血だけでなく、冷たいものが歯にしみるようになったり、口臭が強くなったり、歯に違和感を感じることがあります。
自覚症状があまり強くないため、ご自身で気付くことが難しく、定期検診で発見されることが多いです。
【中等度歯周炎】歯周ポケットの深さ:4〜6mm程度
歯周炎が進行し、歯を支えている歯槽骨の1/3〜1/2ほどが溶けて歯がグラついた状態。
歯茎の腫れや出血、痛み、口臭、歯の動揺などの自覚症状が強く出るようになります。
また、歯と歯の隙間が大きくなったり、歯茎が下がり以前よりも歯が長く見えるようになったり、見た目にも影響が出るようになります。
【重度歯周炎】歯周ポケットの深さ:6mm以上
歯槽骨の大部分が溶けて、歯のグラつきが激しくなった状態。
食べ物を噛めないほど歯がグラつき、歯茎の腫れや出血・膿もひどくなり、人から指摘されるほど口臭も強くなります。自然に歯が抜けて落ちてしまうおそれもある非常に危険な状態です。
歯周病の基本治療
歯周病の進行を抑え、症状を改善するためには、お口の中の歯周病菌の量を徹底的に減らすことが大切です。そのためには、ホームケアとプロケアの両方が必要です。
毎日のホームケアで汚れや歯垢を正しく取り除き、定期的な歯科医院でのプロケアで強固にこびりついたバイオフィルムや歯石を徹底的に除去することによって、歯周病の進行を抑えることができます。
歯周病はお口の健康だけでなく全身の健康にも影響を及ぼす病気ですので、予防ケアと早期治療をしっかり行うようにしましょう。
スケーリング
歯磨きでは落としきることができない汚れや歯石を専用の器具を使って徹底的に取り除きます。歯に付着した歯垢は2日ほどで石灰化が始まり10日前後で歯石へと変化していきます。歯石は表面がザラザラしているため細菌が付着しやすく、歯周病菌の増殖を助長します。歯石はご自身で取り除くことができませんので、定期的に歯科医院で取り除く必要があります。
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
PMTCとは、歯科医院にてプロが行う歯のクリーニングのことです。専用の機器と薬剤・研磨剤を用いて徹底的に歯面の清掃を行います。
歯磨きでは落とすことができない歯石や細部の汚れを1本ずつ丁寧に取り除き、ツルツルに磨き上げていきます。表面がツルツルと滑らかになるので、PMTCをした後はしばらくの間汚れや歯石が付着しにくくなり、歯周病の予防効果を高めることができます。
また、タバコのヤニや着色汚れも取り除くことができるので、見た目も美しく清潔なお口になります。
ブラッシング指導
お口の環境を清潔に保つためには、毎日のブラッシングで歯に付着した汚れや歯垢をしっかり取り除くことが大切です。毎日ブラッシングをしていても、ブラッシングが正しくできていないと磨き残しが多く生じてしまいます。当院では患者さま一人ひとりの歯並びやお口の状態、磨き残しが多い箇所などを正確に把握し、それぞれに合った正しいブラッシング方法を分かりやすくレクチャーいたします。歯ブラシの選び方や持ち方、動かし方など一つ一つ丁寧にアドバイスいたしますので、分からないことや気になることがありましたらお気軽にお尋ねください。
歯周病にならない、再発させないための予防歯科
当院では患者さま一人ひとりのお口の状態やライフスタイルに合った予防歯科メニューをご提案しております。歯周病は早期治療が重要ですが、何よりも歯周病にならないよう予防することが大切です。定期的に適切な予防ケアを受けていただき、お口の健康を長く維持するようにしましょう。
歯周病は生活習慣や食生活による影響も大きいため、歯周病になりにくい生活習慣や食生活のアドバイスもさせていただきます。
歯周病治療の流れ
1初診カウンセリング・検査
まず、お口の症状や気になる点を丁寧にお伺いします。その後、歯ぐきの状態を調べるために歯周ポケットの測定やレントゲン撮影を行い、歯を支える骨の状態までしっかり診断します。
2診断結果の説明・治療計画のご提案
検査結果をもとに、歯周病の進行度や原因をわかりやすくご説明します。
患者さまの生活習慣やご希望もお聞きしながら、最適な治療計画をご提案します。
3プラークコントロール指導(歯磨き指導)
歯周病治療の基本は毎日のケアです。まずは歯科衛生士が、正しいブラッシング方法や歯間ブラシ・フロスの使い方をお伝えし、歯ぐきにやさしい磨き方を身につけていただきます。
4歯周病の治療
歯周病治療では、まず専用の器具を使って歯ぐきの上に付着した歯石やプラークを取り除くスケーリングを行います。さらに、歯ぐきの奥に隠れた歯石や細菌を徹底的に除去するSRP(スケーリング・ルートプレーニング)で、歯の根の表面を滑らかにし、汚れの再付着を防ぎます。 その後、再検査を行い、歯ぐきの状態がどれだけ改善したかを確認します。多くの場合、これらの処置で歯周病は大きく改善しますが、重度の歯周病で深い歯周ポケットが残る場合には、必要に応じてフラップ手術などの外科的治療を行い、歯ぐきの奥深くにこびりついた歯石や感染組織を徹底的に取り除きます。
5メンテナンス(定期管理)
歯周病は再発しやすいため、治療後も3〜6か月ごとの定期検診をおすすめしています。歯石除去やクリーニング(PMTC)、生活習慣のアドバイスを継続することで、歯ぐきの健康を長く保ちます。