妊娠中もお口の健康を守ることは赤ちゃんを守ることにもつながります!
当院は「横浜市妊婦歯科健康診査指定医療機関」です
当院は、横浜市が指定する妊婦歯科健康診査医療機関です。横浜市に住民登録があり妊娠中の方は、無料で歯科健診を受けることができますので、受診票の有効期限内にご予約・ご受診ください。
妊婦健診では、むし歯や歯周病の有無・進行状況など現在の口腔内の状態を細かくチェックし、歯科保健指導等を行います。
妊娠中はホルモンバランスの変化にともない口腔内の健康状態も変化しやすいため、積極的に妊婦歯科健診を受けるようにしましょう。
ご受診の際は「横浜市の妊婦歯科健康診査 受診券」「母子健康手帳」「産婦人科の診察券」を必ずご持参ください。妊娠12〜27週頃に受診していただくことが推奨されております。
妊娠中の歯科検診の重要性
妊婦さんの口腔内の環境はとても変化しやすく、さまざまなトラブルが生じやすいです。
原因としては、妊娠中はホルモンバランスが変わり、エストロゲンやプロゲステロンという女性ホルモンが増加することにあります。
エストロゲンには歯周病菌の増殖を促進させる作用があり、プロゲステロンには唾液の粘度を高め唾液量を減少させる作用や、血管の透過性を高め歯茎に炎症を起こしやすくする作用などがあります。また、つわりの影響で口腔ケアが不十分になりやすいことや、妊娠中は免疫力・抵抗力が低下すること、食生活が変化することなども原因としてあります。
このように妊娠中は口内環境が変化し、むし歯や歯周病にかかりやすく、進行もさせやすくなってしまうため、定期的に歯科検診を受け適切なケアを行うように心がけましょう。
妊娠中のお口の健康が胎児に与える影響
妊娠中のお口の健康を守ることは安全な出産とお子さまの将来の健康を守ることにもつながります。
妊娠中に歯周病にかかり歯周病菌が血管内に入り込んでしまった場合、歯周病菌の炎症作用が子宮の収縮を促すことによって、早産や低体重児出産などのリスクを高めてしまいます。
歯周病による早産・低体重児出産リスクは、高齢出産や飲酒・喫煙による早産・低体重児出産リスクよりも高い危険率といわれています。
また、生まれたての赤ちゃんのお口にはむし歯の原因となるミュータンス菌が存在しませんが、赤ちゃんと接する周囲の大人にむし歯があると赤ちゃんに感染し、むし歯リスクを高めてしまいます。
生まれてくるお子さまの健康のためにも妊娠中は特に口腔内を清潔にし、むし歯や歯周病を予防するようにしましょう。
妊娠中にできる歯科治療内容
当院では、妊娠中の患者さまに細心の注意を払い、体調や安全面に配慮した歯科治療を行っております。
妊娠初期
妊娠初期(15週まで)は、痛みや腫れなどの急性症状がある場合にのみ慎重に応急処置を行います。基本的には本格的な治療は行わず、ブラッシング指導など体に負担のない治療を行います。
妊娠中期
そして安定期となる妊娠中期(16〜27週)になってから、通常の歯科治療を行います。必要に応じてレントゲン撮影や胎児に影響のない投薬治療も行えるようになります。患者さまの体調を見ながら無理のない範囲で治療を行いますので、体調面に不安がある方もご安心ください。
妊娠後期
妊娠後期(28週以降)は早産リスクを回避するために、妊娠初期と同様に本格的治療は行わず口腔内のチェックや応急処置だけに留めます。出産後に改めて治療を行うようにします。
妊娠中の歯科治療について不安なことやお悩みなどがありましたら、お気軽にご相談ください。
妊娠中のレントゲンや麻酔の使用について
歯科治療に用いるレントゲン撮影や麻酔は胎児にほとんど影響を及ぼしません。
当院で使用するレントゲンはデジタルX線装置なので、従来の1/10の線量で赤ちゃんにX線が当たることもなく、防護服も使用しますので、ほぼ問題なく使用することができます。
また、麻酔に関しても歯科の局所麻酔での使用量は少なく、注射をした口腔内で分解されるため胎児に影響が及ぶことはまずありません。
ただし、以前に歯科麻酔でアレルギーを起こしたことがある方や気分が悪くなったことがある方などは必ず歯科医師にご相談ください。
このように妊娠中でもレントゲンや麻酔は安全に使用することができますが、やはり心理的には抵抗を感じる方が少なくないと思います。
当院では、基本的に妊娠中はレントゲンや麻酔は使用せずに治療を行っております。危険性が高い症状がある場合や緊急時にのみ、最小限で使用するようにしています。
妊婦歯科検診の流れ
1ご予約・ご来院
妊婦歯科検診は予約制で行っています。母子手帳と健康保険証をお持ちください。体調に不安がある方は、無理せずご相談ください。
2問診・カウンセリング
妊娠週数や体調、服薬状況、つわりの有無などを丁寧に伺います。妊娠中に気をつけたいお口のトラブル(むし歯・歯周病・親知らずの痛みなど)についてもご相談ください。
3口腔内チェック
歯科医師がむし歯や歯ぐきの状態、歯周病の有無、噛み合わせなどを丁寧に診査します。必要に応じて、レントゲン撮影は安全性に配慮しながら最小限に留めます。
4クリーニング(歯石・歯垢除去)
歯科医師や歯科衛生士が専用器具で歯石や歯垢(プラーク)を優しく除去し、清潔な口腔環境を整えます。妊娠中に悪化しやすい歯肉炎・歯周病の予防につながります。
5説明と今後のアドバイス
お口の状態をお伝えし、妊娠期のホームケア方法(つわり時の歯磨きの工夫や食事指導など)をアドバイスします。必要に応じて、産後のケアや治療計画についてもご説明します。
無事に出産されましたらお子さまと受診しましょう。